水曜日, 9月 05, 2007

「マネーはこう動く」を読んで思い出したこと

さして金もないのに、投資関連の本をときどき読むのであった。

「マネーはこう動く」は著者の藤巻氏の書き方が大変わかりやすく、
読んでみたのだけど、サブプライムローンによる混乱を、
既に株価に折込済の深刻でない問題と片付けてしまっていた
ところが、この本全体の信憑性をかなり下げてしまっていた。

ただ、金がいかに危うい流動物かというのは、一段と感じることができた。
金本位制でない現在、各国がその気になりさえすれば、お札はいくらでも
すれること、マネタリーベースとマネーサプライについては
無学な僕には特に勉強になった。

僕は以前、人を雇ってつくづく感じたことがあるのだけど、お金というものには
複雑な感情を持っている人が多いということだ。

例えば、僕はお金は関係ないです、仕事が面白いかどうかが
大切です。とよく言っていた社員がいて、その社員が仕事の実績も上がらないし
実際に4月に給料上げなかったら、給料上げてくれなかったから辞めると唐突に言われて、
唖然としたことがある。

基本的には、ほとんどの人がお金をほしいのだけど、現在お金がない人は

「俺は金になんか興味ないんだ。金のことばかり考えているやつはせこい奴だ」

というポーズをとりたがる傾向があるようだ。
ところがそういう素直でないポーズをとると余計に、お金と縁遠くなるような気もする。

ところが、金の亡者になってしまって、人生のバランスを失ってしまう人も
いるのだと思う。

昨年、病院で死にかけていたとき、それでも仕事のことも気にはなっていたのだけど、
もし仕事が金を稼ぐためのものに過ぎないなら、生死がかかっているときに、金の心配
していることになる。馬鹿げている、自分の命は金より大切。

ところが実際は、過労死する人がいたり、破産して自殺する人がいたりする。

僕にとっては 

「マネーはこう動く」

より

「マネーは人の心をどう動かすか」

あるいは

「マネーで自分の心はどう動いてしまうのか」

こそ考えるべきことなのかもしれない。

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