日曜日, 7月 06, 2008

BMW R1200GS 試乗記

今日はひょんなことから、BMW R1200GS の試乗をした。

バイクのりが集まって、生涯に1つのバイクのしか乗れないと
したら、どのバイクを選ぶかという話題になると
このバイクを上げる人が多いそうだ。

そんなバイクなら一度乗ってみたいものだと思っていた。

このバイクには他にもあと二つ乗ってみたい理由があった。

以前ある峠で、バイクもライダーも完璧なまでにかっこいいというのを
みたことがあって、そのときのバイクがBMWだったこと。

服選びの問題と一緒で、自分の身体がデカ過ぎて、
自分の体格にあうのはこのくらいのバイクがいいんじゃないかということ。

(いわゆるボリショイサーカスのバイクに乗る熊のようにしか見えない問題である。プッ。)

さて、前置きが長くなってきたけど、
試乗記なんて乗り手のバイク経験と感性に左右されるだろうから。

自分が、身体がでかく、身長 約185cm 体重約97kgで、
バイク経験は21年間で、
最初の3台が250ccのオフロードバイク
今の愛車がカワサキW650
ということを前提として書いておく。

W650のメーターの交換をレッドバロンで無償でやってもらったあと、
(僕は気がつかなかったけど、メーターの無償クレーム対応があった。)
コクボモータースによった。何故かバイク屋のはしごをしたくなる癖がある。

BMWを見ていると、店員が親切に話かけてきてくれて、
試乗もしていってくれというはなしになった。

またがってみると、R1200GSは僕でも足を伸ばして、かかとがやっとつくくらい。
HP2に至っては僕でもかかとがつかない。かかとがつかないバイクなんて
たしか「XR600」以来である。

HP2は車両価格250万円もするが、カーボン製品を多用し、余計なパーツを
極力廃し、最初からリアにオーリンズのサスとフロントにはチタンコーティングの
倒立サスをおごられている(という店員の説明)で、またがってみると、
その大きさからは信じられないほど軽いバイクだった。

凄そうなバイクだった。ただこれは試乗車ないのでしょうがない


R1200GSはまたがると、まるで僕の体にあわせてつくられたような
サイズとライディングポジションのバイクだった。

背筋を伸ばして自然に手を前に出したところにハンドルがあり、
足を伸ばして丁度かかとが地面につく。

そうして出来るポジションは、どんな路面でも挑戦できそうな気分に
させてくれる、どこにも余計な力を入れないですむ自然なものだった。

これだけで期待は高まった。

そして、走り始めて、信号で止まって、スタートをちょっと慌ててやると
たちまち、エンストした。

「アレ、俺が下手なのかな。でも変だな。」

長時間のっても最も疲れないバイクという評判を
店員からだけでなく、複数の雑誌でも読んでいたけど、
アイドリングでの振動はかなりあった。

水平対抗2気筒ボクサーエンジンだからその振動は横揺れ方向が多いようで
身体にそれほど疲労を与えるものではないようだったけど、
別に洗練されたものでもなかった。心地良いとは感じられなかった。

600CCのピストンが2個動いているのだからそんなものなのだろうが、
その点は期待はずれだった。

回転を上げると、振動が収束していくのでそれがかっこいいのだけど、
アイドリングや低回転の振動が意外にあるというのは、良いことではない。

また交差点の信号で止まって発信するとまたエンストしてしまった。
慌てて発車すると、簡単に前輪が浮いてしまった。
(試乗車でウィリーしてどうする。)
ここで関心したのだが、車体のバランスが良いかららしく
前輪浮いても安心して、元に戻ることができた。
このバイクの優れたバランスの一端をみれた気がした。

軽くアクセルを開けると、軽く100Kmになりかけたのでスピードを
すぐ落とした。

加速すると、車体が右側に傾こうとする力が発生するのが
ハッキリと感じ取れた。

シャフトドライブともともとのエンジンドライブシャフトが進行方向に対して
縦方向に左回転しているからその反動でそうなるのだと思われる。

予想していたより、良く言えば言えば野性味がある、
悪く言えば、洗練されてない印象を、

エンジンの動き、
振動の出かた、
シャフトドライブとドライブシャフトの回転方向によると思われる癖

から感じた。

それをバイクの癖として愛着をもてるかというと、私には微妙なものに
感じられた。

走り終えて、店員にエンストのことを言うと、

「そうなんです。低回転でのトルクが意外にないんです。」

とのことだった。 「! ?」

ひょっとすると、以前にかいたWR250と一緒で
加速のピックアップを良くすのためにフライホイールを
軽くしてあるんじゃないかというような気もした。

さて試乗記自体はここまでとして、
外観はともかくカッコ良かった。

ガンダムを思い出させるような部分もあり、
希少価値のあるおしゃれが演出されているようでもあり、
それでいながら、他のバイクではいけないところまでいけることを
外観からアピールしているようでもあり。

特に僕のように図体がでかい奴がこれにのれば、
ボリショイサーカスのバイクに乗る熊から、
大馬にまたがる、大柄な騎士になったような気分になって、
見かけ上も少しはそう見てもらえるようになるんじゃないかという
期待を最大限もたせてくれるバイクに思える。

ひょっとしたらモテルようになるかもしれない。

そんな期待を抱かせてくれるバイクだから、
こんなに値段が高いのに世界中で売れているんじゃないだろうか。

僕にはブランドしらなくても、見かけがサーカスの熊でも
もっと自分の内側から喜べるバイクのほうが良さそうだと思った。

そして帰りにW650を発車させると、そのエンジンのほうが
ずっと洗練されて好ましいフィーリングを感じさせてくれた。

BMWへの憧れがある部分ではいくらか減り、そのライディングポジションの
素晴らしさの部分では憧れをより具体的にすることができた。

でも、この値段だして、買うなら、国産バイク買って、おつりで
他の好きなことに使ったほうがいいのかなというのが
現時点での感想だった。

気になるバイクは出来るだけ試乗したほうがよいということは
ハッキリとわかった。

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