土曜日, 5月 02, 2009

ネットブックから日本の製造業の立場を適当に想像する。

ネットブックの売上げが好調なようだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Netbook
http://kettya.com/neta.php?id=3596

僕も店で試してみたが、確か去年まではいくら安くても
キーボード狭すぎて、自分の手になじまなくてこりゃ駄目だと思っていた。

ところが、今のネットブックはキーボードも問題なく打ち易くなり、
画面も10.2インチだかになり、それなりに使えそうになっていた。

しかも値段はそのままだ。5万円を切るし、イーモバイルとセットで
無料(実質、通信費をたてにしたローンみたいなもんだろうけど)

これで十分とはいえないまでも、ここまで易くて、実用に耐えられる
レベルになってきたようだ。

ASUSの最新の機種は5万円を切る値段でバッテリーが9.3時間
もつというから驚異的だ。

素晴らしい。これが一番売れている。

さて日本のメーカーやようやく重い腰をあげて
今頃ネットブックをだしてきた。

もう台湾メーカーを抜くのは難しいだろう。
というより、日本メーカーのネットブックの中身は
台湾メーカーのマザーボードなのかもしれない。

これからもネットブックはドンドン進歩していくのだろう。
これだけ強い需要があれば、結局関係するメーカ全てが
これに力を入れざるを得なくなるから。
マイクロソフト、インテル、半導体メーカーも

機種ごとの差はスペックの差にさらに集約されていくだろう。

日本のメーカーはこの状況でも

辞書機能をいれたり、
翻訳機能をいれたり、
デザインをおしゃれにしたり、
日本メーカーのきめ細かいサポートをアピールしたり

している。

でもPCはもともとプラットフォームだから無理な差別化しても
意味がなくなってしまうだろう。

負荷したいサービスをネットから利用するのを基本的な
使い方としているのだから。

でも日本メーカーとしては無理にでも差別化できる付加価値を
つけないと、日本人の人件費を維持するための利益をを
維持できないとかいう思惑でそういう方向に行かざるを
得ないという経営判断があるのかもしれない。

NECの98がDOS/Vの登場で国内でもIBMPC互換機に
駆逐されていったことを思い出させられる。

きっとこういうことは世の中で何回も繰り返されてきたのだろう。
僕は歴史に疎いし、検証したわけでもないけど。

例えば、経済の中心がヨーロッパからアメリカに移る頃は
自動車で、ヨーロッパの自動車の方がセンスが良くて
アメリカの自動車に負けるわけないと思っていた人が
いた時代があったのではないかと推測する。

でも自動車も実用品、家庭用品として使われるように
たってくると、コストパフォーマンスと実用性が
評価要素に占める割合が大きくなったのだろう。

このブログは今は自分のレッツノートで書いている。
とても良いノートPCだ。文句をつけたいところは
一つしかない。値段が高すぎるということだけ。

ネットブックの4倍以上の値段だ。
ここまで違うと、性能と使い勝手が良くても当たり前だと
思えてしまう。

この調子でいくと、将来は自動車も中国やインドのメーカーに
シェアを奪われていくのかもしれない。

日本メーカーはBMWやアウディーのようなプレミアムブランドを
目指すべきなのかもしれないけど。

結局、どんな製品も日常生活用品と化してしまうと、
そこそこの品質と機能の中でのコスト競争が加速して、
日本の製造業はちょっと前までその分野を得意として
いたはずなのに、いつの間にやら、少なくともPCに
ついては台湾のメーカーに全然かなわなくなって
しまっているようにみえる。

自分だけ、自社だけの付加価値を追求したい場合は
絶えず、技術革新の最前線でかつ世の中で需要が
拡大していく分野に挑戦し続けるしかないという
ことなんだろう。多分。

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